左右

生をする

もともとは、自分のことを語る手段が欲しくて絵を描き始めた。

 

生温い空気を吸って、いつもよりきつい浮浪者の臭気を感じながら西口通路を歩く。

なだらかに移り変わるリズム、刻まれる音、自分の身体がいつもより鬱陶しい温度だなあ。

今思うのは、今何も思わないこと。過去の感覚は邪魔くさかった。

右手がなにも生み出さない、絵も、その他のやりたいことも、全てが今ではただのプレッシャーだから、責めたくない、出ないものを無理やり出すのは惨めだから、

自分には、

やるもやらないもずっと惨めだけど、つらいし、すごくいやになるけど。自分の選んだ道を常に尊重してきた、人との出会いは蔑ろにしがちだけど・・いい出会いを毎回している。だからいまは病まなければ、どこまででもやろうと思っている。秒読み段階になったらちゃんと休む。

自分の扱いが未だに下手、世間との不釣合いが自分の真裏で、真隣で起こっていることを教えられてからわけわからなくなった。

よく喋るときは、必死な時が多い。呼吸が浅いと思う。酔っ払った時は、生死の話が好きでよくしてしまう、でも大体そんな話題になんかならないから、どうでもいい話して時間が終わる。

人が死ぬ、誰も体験できないことを誰もが1番最後に体験する、壮絶だなあ。

死は、自分にとって身近では無いんだと思う、今までに出会った死、どれも紛れもなく自分以外に起こったことだった。

何年か毎に思い出して泣くときがあるでも、あれはどんな  なんて感情なんだろう。ねえ

 もう背中に齧り付く悪魔に耳を傾けない代わりに、作りたいものがたくさんあるよ

なまみ

坂道で、潰れた鳩をみた。朝方4時、社から家へのタクシーを探している途中に見かけた。肉が飛び散り、赤く、街頭のせいで少しピンク色に見えた。

それをみながら何かを想像する。

昼食、安さから行く、牛丼チェーン店、牛の血肉を食べているんだと、屠殺の現場は見たことがない。何かを察して鳴きわめく牛を想像しながら食べた。この絵図は、島崎藤村を読んだときに覚えたものですか?茶色くていい匂いのする調理済みの肉を食べてるからいつもそれがなんなのかを一切思い出せない、牛の血の色を考えながら、美味しいなあと食べた。

頭を働かさない。指示だけで動く、想像はする、するだけ、何1つ自分で決着をつけられない制作物、なんのことかが、わからない。

あたまを、このままの状態で使い続けるならわたしである必要がない。

 

今日は仕事で、まだあまり慣れないペンタブで絵を描いた。

もっと使いこなせるようになりたいが、普段家で練習できるような時間が少なく中々やりたいことが頭の中で走り回っては休み、走り回っては忘れ、を繰り返している。

いいものを作りたい。

自分の手から苦しんだ末に出てくる愛しいものをしばらく見られていないから、自分が消えていく。

消えた自分を燃やすことが出来ずにいるから頭の中は死んだ生ゴミだらけ

つかれたからって本を読まないで帰るって言うのはだめらしい。

家に帰っても眠れない。仕事がべったりついてきて。

読めば、会社を出てから1時間後の最終深夜バスに乗る頃少しは、落ち着いている。

喉が渇いた、3食とはなんのことだろう。

死なないで

血のにおい足音、呼吸街忘れ、白紙、右手、剥がれ、飲み込み、ダメ、拾い、優しくする、死ぬ、死ぬこと。

目が見えなくなって、言葉を話さなくなる。偽物の言葉を使う、親指の付け根。また毟って、眉を掻く。欠いた左欠いた。覚え、補う、記憶しかない。補えない、お記憶、

冷たい末端の、またそうやって。

まだ生きて、それを、ま、と、間違えた、幻想、くう、くう、空、目の端に過ぎる、鳥。よ。

見えない、見えたこと、ほつれて、また明日を受け容れる。明日を受け容れ、昨日を享け容れ、小汚い記憶毎日、白く、灰鼠、発色、チタニウムホ・ワイトで全てを。(潰して)

冷たすぎる。

 

 

‪絶対に近づいて欲しくない領域が久々表に出てきたと思ったらさんざ暴れた挙句きったねえ顔描いて泣いて疲れてねむった。これが自分の自分かあ随分元気だあそうかあ。お前が消えたら急にすごいお腹すいてきて、眠たくなった。ただの人間だなあ好きにしてくれでももうあんまりここへはきて欲しくない‬、宿主は自分の自分がこわかったしめちゃくちゃ恥ずかしい。でも絵は消さない。ありがとう。なんかありがとう