左右

男の子

どこまでも広い海の砂漠
朝焼けの色がずっと続く日と レンガを積んでできた秘密、広大な草原整えられた短い草たち、小さな山が等間隔に並ぶ。
夕方が終わって夜になる前の世界
本当は熊だった小山の背に乗せられて新しい島を目指す 濡れない雨
ずっと優しい


雨の音で目覚める日
息苦しさに外を見れば世界の不満が黒く浮かんでいた
当たらない雨が建物を濡らしている
そろそろ時間が来るのかもしれない
飲めもしないコーヒーを頼んで転がした角砂糖
もしかしたら全部そういうことなのかもしれない
ずっと優しいのは空の色だけだったのかもしれない


時間のない場所
眠れるだけ眠ったあとは
小さく浮かぶ惑星に行ってみる
背の低い生き物は縦一列に並んで歩いてく、そのまま浮かんでったから嘘みたいだった。
時刻表のないバスを待つでもなくただ立っている
ここは緑の砂漠だった、空もずっと灰色で明るい。
音のしないバスへ動物たちと乗り込みあの星へ。


知らない音のする場所
夢では見たことある機関車が叫んでいた
見覚えのあるようでない顔たちが去って行く
細長い建物が上へ上へと向かう、ここに住む人たちの話し声はうるさい
小さな囁き声が雲になる
ここではせっかく干したお布団が湿っていましそう


眠りながら空へ浮く体
なにをも掴まずいてね
優しいなら暖かいなら、お願いだからその逃れられない力を使わないでいて。
今日はここまで書いて眠ります。