左右

4月

私の知っている中で一番素敵だった年上の方が時の流れに連れて行かれてしまいました。
人の気持ちがよくわかるといい、昔に看護の仕事をしていた彼女は気心のある人で、あんなに優しい人がいるんだと、とても安心した覚えがあります。

人は人を思う時には近くにも遠くにも行かないものだと
そんな優しい愛を感じていました。
長くはない数年間の付き合いの中、店で話をしたりする事が殆どで、お家には1度遊びに行ったきりだけれどずっと気に掛けてくだすっていたのは十分伝わっていた。
店が潰れてから1年、その間は会えなかった。

彼女はとても不思議な人で、友達とも姉とも母とも思えた、勇気ある言葉をたくさんかけてくれ、手紙をくれ、何よりも気持ちをたくさんもらった。

わたしたちは会話を交わす度、2人共お互いが好きなのがよくわかった、相手側に関してはそう思っていただろうという事しか言えないけれど、わたしは彼女の笑った顔やゆっくりな話し方が大好きだった。
気持ちの安らぐあの笑い顔は 屈託のない、そう言うのかもしれない。

人が死ぬということ

もうこの世にいないと聞いて、スッポリあるはずのものがなくなり、それに反応した涙腺がこれですねと言う。
この感情はめちゃくちゃ優しい、本当わけがわからない。
私にはわけがわからないのです。
人を思う気持ちがこんなに優しい色だとは思わなかった。

知らない事が多い、ご焼香もよくわからない、人が死んだ時にいう言葉をわたしが言うと冗談みたいに聞こえて、この顔この口からは本当に言いたくない。

誰も居ないところでお礼を言って、普段やるみたいにお線香を焚きたい、それでお墓に座って陽に当たりたい

思い出してもらえて本当に嬉しかった、彼女の妹さんから連絡がきた時にそう思った。

明日は約束の日、顔を見ることなく最後別れた私たちだけどれど、嬉しい思いやりばかりが胸をいっぱいにします