左右

浴室の壊れたタオル掛けのネジをプラスドライバーで左に回転させながら、なんだか全部、幻だったのかもしれない、というか、この場所にあったものは少なくとも一度リセットされるんだなと思った。

自分の全体図を思い浮かべると輪郭の所々が点線になっていて、なんかいろいろ足りてないし、全体図ってなんなんだよとか考えてた。

引っ越し。

時間とか出来事とか、確かにそこにあったいろいろだって、ていうか、自分の左右の視点でさえ見え方の違いが生まれるのに。ね。うつつ

違いを認めたいとかわかりたいなんて言いながら、実際にはパーソナルスペースの輪郭をなぞらせてるだけなんだろうなとかは考えすぎ。

細かい違いにうるさいのに大体なことに対してルーズ。とにかく生活がむづかしい。

誰かの残した影とか自分の影とか、妄想いっぱいならべて日々過ごす。1人で喋って、シンっと耳をそば立てて、何も聞こえないのにうるさいくらいうるさい。

物語は、脳内でばっかり進んでくれるね、目を瞑ってる時とかさ。

人間って真っ暗で真っ黒い穴みたいだって前から思ってる、深くもなく浅くもない、穴に手を突っ込んで、まさぐる度胸をみんなもってるのかしら。穴なんて見付けないのかも。穴なんてなくていい、穴って思うは自分を穴って思ってるからかも、自分のことを知りたいだけなのかも、自分のくだらなさがこわいのかも、人や物や自然に自分を投影するクセがひどいかも。

だれかが目の前にいたとして、まぼろしみたいな影をみてるだけって思うとなんだか全部虚しい、物とかもどうせ朽ちるし。影、人に対して失礼な態度な気がするな。

とてつもなくながーくてたかーい空中ブランコ

昔はコロコロ椅子に座って坂を転げてたけど、いまはぷらん、ぷらん、投げ出されないようにやっています。

引っ越しって後片付けが大変。

みなさんお元気にしていますか。手紙が出せなくて落ち込むのも変だから開き直ってます。また何か送ります、そういう気がそのうちに起きる予感がしています。

飼い犬が天に昇りました、わたしはまたしばらく実家暮らしになります。

敢えて何もしない休みを作るのむずかしい、でももう少しで休める気がする。