左右

その糸

この世界は柔らかくて優しい
だんだん。
だんだん優しくなっているのに私の頭だけは残酷なまま取り残されている

こんなに温かい世界なのに、私のいる場所だけは影で色が褪せている
夜中に伸びる草花のよう、密かに身体から伸びる生きる糸

暴力的な生命力を目の当たりにして 頭は柔らかく、その瞼から広がる命と安らぎを目に焼き付けて
私の中の残された影が何かに泣く。
安心が溢れるのを見た、疼く暗い場所
本物の何かともう一つの本当
決して消えない、近づけない柔軟さがこんなにも切なかった。

わたしとわたしは隣り合わせになるけれど、それ以上は無くただ2人という孤独の影の中 光に当たっている。
切ない気持ちがひとつ

ベッドから京王線