左右

腐った声

春の残酷さと5月の光、雨の降る紫陽花を枯らした暑さは湿気と淋しさをいつも通りに置いてった。
秋の風は夏の頃から吹いていて、少し胸に覚えた痛み
いつものこの頃

地虫の鳴く声はにちにち増えて、蝉が死んだことは誰が覚えてる

少し遅いと思ってた季節も時間も誰がなんと言おうと腐ってく
声に出せない恐ろしさで指の先からだんだん

誰が見てくれるだろうか、こんなゆっくりほどけてく

だれかは覚えてるかな
忘れがちをきっと許してください